スペシャライズドのユーモラスなロードバイクといえばルーベです。
ルーベにはどの様な特徴があり、乗り心地はどうなのでしょう。
ルーベとは
パリ~ルーベというレースをご存知でしょうか。
毎年4月にパリから、フランス北部のルーベ間で行われるワンデーレースで、1896年から行われているクラシックレースです。
ワンデーレースとしては最も格式あるレースとされていて、「クラシックの女王」と呼ばれますが、そのレースの過酷さから「北の地獄」とも呼ばれます。
地獄と呼ばれる所以はパヴェにあります。
パヴェとは石畳のことで、パリ~ルーベでは1~3kmほどの石畳区間が27箇所もあり、ロードバイクへの負担も選手への負担もロードレーストップです。
各バイクメーカーはこのレースに石畳の振動に耐えるための特殊なバイクを持ち込みます。
スペシャライズドがそのパリ~ルーベ用に作ったのが、その名も「ルーベ」です。
ルーベのテクノロジー
パリ~ルーベでは石畳の激しい振動によってパンクが多発することは当然で、場合によってはロードバイクのフレームが振動に耐えられずに真っ二つに折れることもあります。
スペシャライズドはその振動に対応するために、ロードバイクにサスペンションを導入しました。
走るために必要最低限の装備に限定し、軽量化を追い求めるロードバイクにとって、乗り心地を改善するサスペンションは無縁のものとされています。
しかし、スペシャライズドは重量増をわずか200gに抑えるフロントショックシステム、フューチャーショックによってこの問題を解決しました。
さらにシートポストのヤグラ部分にも振動吸収機構を設けて、パヴェを走破できる乗り心地と走破性を実現しています。
日本ではルーベをどこで使うのか
日本には石畳の道を数km連続して走るということはまずありません。
ではルーベは必要ないのでしょうか。
ルーベの振動吸収性能は、長時間乗っても疲れない快適な乗り心地をライダーに提供してくれます。
速さを求めるロードバイクにとっては乗り心地の良さは対極のものと捉える人もいるかもしれませんが、一定の乗り心地の良さは長時間乗る上でとても大切です。
スピードのみを追求した、固く前傾姿勢がきついロードバイクでは数時間乗ると、肩や腰などに痛みが出ることもあります。
しかし、ルーベならばヘッドチューブのサスペンションとシートポストの振動吸収によって痛みが出る可能性を最低限に押さえてくれます。
長時間乗るための乗り心地というのはロードバイクにとても必要な要素です。
ルーベは長時間乗ることができるので、エンデュランスロードとして日本では活躍します。