自他ともに認めるアルミフレーム自転車のパイオニアであるキャノンデール。
キャノンデールのアルミフレームは何が優れていて、乗り心地にどのような影響を与えているのでしょうか。
キャノンデールのアルミについて解説します。
アルミとカーボンの違い
まずはカーボンとアルミの乗り心地などの違いについて解説します。
カーボンとアルミを比較したとき、単純に自転車の素材として優れているのはカーボンです。
カーボンのメリットは設計の自由度の高さです。
曲線や直線などを自由に出来るというデザイン的なメリットはもちろんですが、強度や柔軟性などをアルミよりもはるかに自由に設計出来るので、乗り心地も向上できます。
例えば真っ直ぐなパイプをカーボンで作った場合、一部分の強度をあげたり、一部分をしならせたり、右からの衝撃に強いパイプにしたりと様々な設計が可能です。
これは、均一なパイプしか作れないアルミに対して大きなメリットとなります。
そのため、アルミとカーボンの自転車を比較したとき、カーボンの方が軽かったり、剛性が高いとか、乗り心地がよいといった差が生まれてきます。
一方でアルミのメリットとしてはコストと耐久性です。
カーボンの自転車は手作業によるところも多く、また素材自体も高価なので完成した自転車も高価になります。
アルミは加工が比較的容易で、カーボンよりもコストを抑えることができます。
キャノンデールとアルミ
キャノンデールは1984年にアルミ製マウンテンバイクを発表しスポーツサイクルの生産をスタートしました。
その後もロードバイクやクロスバイクにもアルミを積極的に採用し、アルミスポーツサイクルの発展とともにキャノンデールも成長してきました。
1990年代はCADやレーザー工作などコンピュータを駆使したハイテクを駆使し、高品質なアルミフレームを次々と作り出していきました。
しかし、2000年代に入り、カーボンフレームの流れがアルミにこだわるキャノンデールにとって逆風となり、経営危機に陥ります。
キャノンデールもカーボンフレームの生産を開始しましたが、それでもアルミフレームは強いこだわりをもち続け、CAADの名称でアルミフレームを作り続けています。
CAADとは
アルミにこだわるキャノンデールが体現するアルミフレームがCAADという型式のもでるです。
CAADはCannondale Advanced Aluminum Designの略で、「世界最軽量のアルミフレーム」と宣伝されています。
CAADのロードバイクフレームはその言葉に違うことなく、カーボンフレームとほぼ同レベルの軽量化を実現しています。
一般的にカーボンフレームよりも衝撃吸収製が悪いとされるアルミですが、CAADはアルミの厚みを変えたり、ジオメトリーを適正化することで、乗り心地もカーボンに負けない快適性を実現しています。
高価なカーボンフレームを無理して買わずともCAADならばレースまで対応できます。