今やスポーツサイクルメーカーで1番の資本を誇るとも言えるトレック。
トレックはどのように世界一へと成長していったのでしょう。
トレックの歴史や特徴を解説します。
トレックの歴史
トレックは1975年アメリカ・ミルウォーキーの電化製品販売会社の子会社としてその歴史をスタートしました。
当時、イタリア製と日本製が席巻していた高級スチールフレーム市場をターゲットとしてフレーム製造を開始。
1980年に入ると新工場の設立やロードバイクの生産をスタートさせるなど本格的自転車メーカーへと成長していきます。
しかし、1980年代半ばに登場した接着アルミフレームに、それまでスチール溶接でフレーム生産をしていたトレックは後手を踏むこととなります。
トレックは接着アルミの生産ラインを見直す一方で、カーボンフレームへと生産の中心を以降していきます。
1990年代半ばはロードレース界では溶接アルミフレームが台頭しましたが、その後はじまったカーボンフレームの流れがトレックの背中を大きく後押しし、ボントレガーやゲイリー・フィッシャーなどの有名ブランドを買収しながら大きく成長をします。
最軽量への挑戦
トレックはいち早くカーボンフレームの製造ラインを導入した特徴のあるメーカーですが、カーボンの特徴でもある「軽さ」にこだわるメーカーでもあります。
1992年に発表した、トレック独自の技術を使った完全自社製カーボンフレームは1.11kgで当時世界最軽量のロードバイクフレームとなりました。
さらに、翌年には1.29kgの世界最軽量マウンテンバイクフレームも発表しています。
近年でもエモンダというフレーム重量が600g台という超軽量ロードバイクをラインナップするなど、軽量化にも特徴のあるメーカといえます。
トレックとツール・ド・フランス
トレックの歴史はカーボンフレームと共にあるといえますが、もう1つ忘れてならないのがツール・ド・フランスです。
ランス・アームストロング。
ツール・ド・フランスに伝説を作ったその名は自転車好きではなくとも誰もが聞いたことがあることでしょう。
残念ながらドーピングの発覚によって記録はなかったことになりましたが、その活躍は多くの人の記憶に残ります。
その活躍を後押ししたのがトレックのロードバイクです。
アームストロングが乗ったトレックのマドンは誰もが手に入れられるチャンピオンバイクとして注目を集めました。
「F1マシンは買えなくとも、アームストロングの自転車は買える」という特徴的な言葉はトレックの自転車が世界に広がるきっかけの一つとなりました。
マドンはその後、タイムトライアルやクラシックレースで大活躍したカンチェラーラによってトレックのエアロロードどして進化しました。