自転車のメンテナンスをDIYしようとしたときに「グリスアップ」というキーワードにあたることがあります。
自転車のグリスアップはどの場所に、どのくらいの頻度で行えばよいのでしょう。
グリスとオイルの違い
まずはグリスとオイルの違いを理解しましょう。
グリスもオイルも潤滑剤という点では共通していますし、成分もかなり似通っています。
ただ、グリスには粘度が高くなるように添加剤が加えられています。
グリスは高い負荷がかかるベアリングなどの回転部品に塗布されていて、密閉される箇所によく使われます。
オイルは粘度が低いので抵抗も少なくなりますが、汚れたり、水がかかると流れ落ちたりするので自転車ではメンテナンスのし易い部分に使われます。
BBやハブのグリスアップは高難度
自転車の回転部品といえば、BBやハブですが、この場所のグリスアップはかなり高難度といえます。
BBだとクランクを外した後にBBを分解する必要がありますし、ハブはホイールを外してから分解する必要があります。
そもそもBBやハブに使われているベアリングはシールドベアリングといってグリスアップの必要がない場合もあります。
ロードバイクなどではカップアンドコーンのベアリングが使われているので定期的なグリスアップが必要です。
ハブやBBのグリスアップ頻度は3年に1回くらいだと言われます。
DIYでもできますが、自信がない場合は自転車ショップでグリスアップしてもらうとよいでしょう。
変速機のプーリーは頻度が高いグリスアップ場所
頻繁にグリスアップする場所としては変速機のプーリーがあげられます。
プーリーとはリア変速機についている2つのギアのことです。
この部分はベアリングにグリスが塗布してありますが、雨などで落ちやすい部分です。
比較的簡単に分解できるので、月に1回くらいの頻度でグリスアップしてあげると、スムーズに回転します。
ネジにグリス?
競技用自転車を一台組み上げる場合、全てのネジにグリスを塗布します。
ネジにグリスを塗布することでネジの固着を防ぐことが出来たり、防錆効果も期待できます。
グリスを塗布する場所としてはネジ山に少量塗布します。
ハンドルに近い場所のネジは汗でサビが発生する場合もあるので、ネジ頭にも薄くグリスを塗布する場合もあります。
ネジ頭へのグリスアップの頻度としては洗車したときに綿棒などで薄く塗るくらいの頻度となります。
グリスアップのタブーとは
リムやブレーキといった場所についてはグリスはタブーです。
これらの場所に注油やグリスアップをしてしまうとブレーキが効かなくなってしまいます。
特にシティサイクルのハブブレーキは他の場所をグリスアップしているときに誤ってグリスがつかないようにしましょう。
また、グリスを塗布している場所には注油をしないということも注意が必要です。
グリスにオイルが付くと、溶けて流れ落ちることがあります。